絵を描く才能というのは描く力ではなく見る力です。
つまり観察力こそが基本的な才能です。
この才能は訓練すればUPします。
一般の人は学んだことを身につけて、つまり情報とか理論とかを吸収して、
それを糧にして生活している。自分の持っている本来のものを出す努力を
しないのです。
絵を描くとその不自然さがよく分かります。
絵を描くということデッサンをするということ、その力は観察力です。
どれだけ対象を観察できているか、それが如実に絵に表れます。
細部までしっかり見ます。しかし細部だけに捕らわれていると、
全体のバランスが崩れます。忠実に描こうとすれば立体感が失われます。
光や形の整理も必要です。
大人には過去の経験や吸収した情報、思い込みで描こうとします。
クセが出来上がっているのです。
そういう習性、クセは絵を描くことにより発見することができます。
観察力がよくできていないと、しかし絵はうまい、という人はお手本みたいな絵に
なってしまう。つまりおもしろくないのです。
絵を描かなくても観察力はUPできます。
景勝地に行ったとき、すばらしい景観をみて感動します。大体みなさん写真を撮ります。
こんなとき、よく風景を見ましょう。
自分が感動しているのは何か?、形、色、配置、遠近、光、空気感、爽快感、愉快、楽しい、
見たことない経験などなど。色々あるでしょう。
それを見極めましょう。
漠然とした感動は、感動のもとを観察することによりさらに倍加した感動となります。
風景観察の醍醐味を味わうことができます。
これは絵を描く楽しさにつながっていきます。