色々なマチエール その1 マチエールとは

絵画作品を見るときに、よく使われる言葉にマチエールがあります。 マチエールは作品の材料や材質、素材を意味するフランス語で、簡単に言うと絵肌のことです。 作品の手触り感、触感、質感といったらわかるでしょうか。 マチエールというと最近では厚塗りでざらざらした荒い絵肌をイメージする人が多いようです。 マチエールの作り方は色々あります、無限にあると言った方がいいでしょう。 例えば、大理石、貝殻、砂を砕いて、すりつぶして粉状にしたものを絵具に混ぜる。 ローラーを使って壁のように塗る、サンドペーパで削る、布や紙、印刷物を貼り付ける等などです。   ごつごつざらざら感とは違い、すべすべぴかぴかの画面も1種のマチエールです。 パネルの画面にまずジェッソ(下地用塗料)で地塗りし、そして耐水ペーパーでサンディング、 それを何度も繰り返す。 ペーパーの番手は最初は400番、次に800番、さらに1200番、そしてさらに1500番 とかけていきますと、絵肌はピカピカになります。 つるっとした陶器のような画面に仕上がります。

マチエールのためのマチエールになってはいけない。 現代には多くのマチエールを生み出すために、様々な技法があり、多くの人はこれをマネしています。 なかなかオリジナルを作り出すのは難しいし、骨のあることで既存の技法に頼るのは仕方ありません。 絵を描く時にはそこに一貫したテーマがなければ意味がありません。 技法だけを追い求めてはいけないのです。

2014年5月1日 色々なマチエール その1 マチエールとは はコメントを受け付けていません 色々なマチエール