油絵の技法 その7 フロッタージュ

木の枝とか、石とか、コインなどの表面が凹凸のある物の上に紙を置いて、上から鉛筆
などでこすると、その凸凹が模様となって現れます。
この模様によって描かれた作品をフロッタージュといいます。
使用する紙は比較的薄くて柔軟性のあるものがよく、画用紙などの厚みのあるものは
写しにくいので適さない。
古くから東洋では拓本という技法がありました。
乾拓と湿拓の2種類あります。
乾拓はフロッタージュと同じ原理で、和紙の上に擦りだし用の固形の墨でこすって凸凹を
写し取ります。
湿拓は水分を含ませた和紙の上からタンポでたたき、1度凸凹を浮かび上がらせてから
絵具の付いたタンポで凸面を絵具で彩色します。
魚拓がこれに似ています。
フロッタージュはできた模様は偶発性によるものです。
そこの現れるイメージは見る者の想像力を拡大させる効果があります。
シュルリアリズムのMエルンストが創始者と言われています。
パステル、クレヨン、鉛筆、色鉛筆などを使って凸凹をこすり、写し取ったり、紙を回転
させたり、移動させたりしてして写し取ると、思いもよらないような綺麗な模様が得られます。
マックスエルンストは1900年代のドイツの画家です。シュルレアリズム(超現実主義)の
代表的な画家です。フロッタージュ以外にもコラージュ、デコルコマニーなどの技法を考案
しています。

2014年4月8日 油絵の技法 その7 フロッタージュ はコメントを受け付けていません 油絵の技法