油絵の技法 その3 スカンブリング

擦りぼかしといいます。
隙間から下地の色が見えるように不規則な模様を描く技法です。
不透明、又は半透明な絵具を乾いた絵具の層の上にぼかして塗り、上層と下層の色調が
響きあう効果を出すテクニックです。
下層の絵具を上手く透かして見せるためには乾いた筆の筆先に、ほんの少し絵具を取り、
筆跡をかすれさせ、やや粗いタッチで不規則に筆を動かすことがコツです。
下地の絵具が乾いている上に施すので乾燥の速いアクリル画に向いた描き方です。
地色と正反対の色、同系色の色で描いてもよく、好みと狙った効果により選ぶことができます。
例えば、濃い青に薄い明るいブルー、紫を加えると色調が微妙となり発色が深まります。
注意することは土台となる色を次にスカンブリングする時にすべて消してしまわないこと。
絵具を塗るときに硬めの筆、布、指などで軽いタッチで擦る(こする)ようにします。
ドライブラシと同様、絵具を薄めて描くこともでき、水分を布や紙に吸わせてから行うと
効果的です。
絵全体がバランスがよくないときにスカンブリングで整えると、落ち着いた絵の雰囲気を
出せます。
又、モチーフの色が強すぎたり、背景から浮いて見られる場合には軽くスカンブリングを
施すと色調がぼやけてほどよく収まります。
色のコントラストを弱めたいとき、色合いを和やかにしたいときなどに便利です。

2014年4月3日 油絵の技法 その3 スカンブリング はコメントを受け付けていません 油絵の技法