ぼかしは平塗りから徐徐に色を薄く伸ばしていく技法で、絵具の柔らかい内に、刷毛や布 指などを使って、色を混ぜていきます。 このぼかしは大きな空間を表現するのに向いています。 この技法は製作途中でよく使われます。 空を描く時に、下に塗った色が乾かないうちに雲の白色を多めにのせます。そして指で 円を描くようにぼかしていく方法です。 わずかなムラが雲の形にボリュームを与えてくれます。 ファンという筆を使う場合もあります。 これを使ってすこしずつ2色の色が混じりあうようにぼかしていきます。 水面や雨上がりの路面の写り込みを描く時に重宝します。 たたきぼかし、という技法もあります。 絵具をたんぽや穂先を切った筆などにつけて、キャンバスにたたきつけながら霧を吹きつけた ような効果が得られます。
ぼかしはつまりは絵具がぬれている間に別な絵具を塗って相互が干渉しあって中間色として 混じりあった状態をいいます。 水彩画などでも広く使われている方法ですが、水彩の場合は水をたっぷり使って、色そのものを ぼかしていきます。
スフマート スフマートはレオナルドダビンチが開発したと言われていますが、別に特別な秘技というほどの ものではありません。 要は、ぼかしによる空気遠近法ということです。 輪郭線をなだらかにぼかして、明暗によって遠近感をつける、という方法です。 中国や日本の水墨の山水画でもよく使われています。