14)日本の洋画黎明期の画家たち その35 小磯良平

その35小磯良平

小磯良平(1903年ー1988年)は昭和期に活躍した洋画家です。肖像画、特に群像を多く手がけた。 親しみやすい女性像を中心としながら、西洋絵画の伝統の中に、市民的でモダンな感覚と気品あふれる画風を 完成した画家でした。 1903年貿易に携わっていた岸上家の8人兄弟姉妹の次男として、神戸市中山手通りに生まれる。 兵庫県立第二神戸中学校から東京美術学校西洋画科に進み、猪熊弦一郎、岡田謙蔵、荻須高徳らと共に学ぶ。 在学中に兄妹が帝展入選(1925年)、T嬢の像(1926年)帝展特選を果たす。 首席で卒業後1928年、フランスに留学。 ルーブル美術館のパオロヴェロネーゼ作「カナの婚礼」に衝撃を受け、群像表現を極めることを生涯のテーマ とする。 1936年帰国後、新制作派協会の結成に加わる。 1938年から1年間藤田嗣治らとともに陸軍省嘱託で従軍画家として中国に渡り、帰国後戦争画を制作した。 1941年に群像画の傑作「娘子関を征く」と「斉唱」を発表。 戦後は東京芸大教授などを努めて、後進の指導にあたった。 1942年 第1回芸術院賞受賞             1979年     文化功労賞
1982年 日本芸術院会員
1983年 文化勲章受賞
兵庫県内に2つの小磯良平個人美術館がある。
兵庫県立美術館小磯良平記念室
神戸市立小磯記念美術館