モチーフをいくつかの部品で構成する場合、目線の高さが問題となります。
静物画の中には見下ろした視点で描かれた絵が数多く見られます。
その原因は色々でしょう。モチーフを置いたテーブルの高さ、と自分の座っているイスの高さと
両者の距離によって、たまたまそういう目線になってしまった。
また、モチーフをしっかり見ようとして、つい、体を乗り出して覗き込んだようになってしまった。
低い目線で見たにもかかわらず、形を間違えて上から見下ろすような形に描いてしまった。
理由はいろいろですが、静物を描こうとモチーフをテーブルに並べる時に、目の高さも意識して
いつもより低い視点から描くことを体験してみてください。
上から見下ろすと、モチーフはよく見えますから、それぞれをしっかり描こうとする人は都合の
良い配置です。
しかしそれだけモチーフがバラバラに点在した格好にになってしまい、構図的な繋がりを欠き、個個
のモチーフを説明しただけの絵になり易い。
目線を下げますとモチーフ同士が重なり合う場合があります。
しかしモチーフとモチーフのつながりが出てきて、形が連携してきます。
モチーフ間の前後関係も感じ取ることもできます。
静物画も風景画と同じように遠近感が大事です。