油絵の技法 その18 パティック

パティックとはろうけつ染めのことです。布にろうで模様を描き、染めるとろうが乗っているところはろうで染料が乗らず、染め残ります。
染色の工程を何回も行い、複雑な模様を作っていくのがパティックです。
一般的なパティックは幾何学模様や同じ模様が幾重にも重なるデザインです。
最近では絵画技法を取り入れた鮮やかな花や鳥をデザイン化したパティックもあります。
又逆に、絵画技法の1つとしてパティックの制作工程を絵を描く工程に取り入れることもあります。

パティックの本場はインドネシアのジャワやソロです。
この地域の伝統文化、伝統芸術として長年にわたり育まれてきました。
本場ではありませんがバリ島でも作られています。
バリ島はイカット(絣 かすり)やソンケット、グリンジンといった布が使われ、カランガッサム県のシンデメンというところで入手できます。
グリンジンはダブルイカットといった特殊な織物で世界でもインド、日本(大島紬)とバリ島しか作られていません。
バリ島に観光に行くと絵画技法を使った鮮やかなパティック風のニセ物が横行を目にします。
パティックのデザインを印刷した布をパティックとして売っています。
印刷で作った布はパティックではなく単なるパティックデザインのプリント生地です。
見分け方は裏を見ればすぐに分かります。
本物のパティックは染色なので生地の裏も色が乗っています。
ニセ物は裏が白いままです。

2014年4月24日 油絵の技法 その18 パティック はコメントを受け付けていません 油絵の技法