油絵の技法 その16 ウエットインウエット

絵具が乾く前に、つまり濡れている状態で塗り重ねる技法をウエットインウエットと言います。
これは絵具の層と層に隔絶せづに1体化した構造断面となるため、塗膜形成機構は安定に保たれ
ます。
この技法はすばやく行わなければならず、漫然と塗り重ねを続けていると表面と内面の乾燥機構
にひづみが生じることになります。
下の絵具が乾いてから塗り重ねるのはウエットオンドライです。
こちらは溶き油の配合や塗り重ねる絵具層の厚さによって重ねるベストタイミングは変化します。
また堅牢性の程度にも影響します。
油絵の他、水彩やアクリルなどで、最初の絵具の上に同色又は別の色の絵具を加えると両者が
自然と混じりあい、特に水彩ではウオッシュの濡れ具合や重ねる絵具の色合いを試してみて
コントロールすることで複雑なにじみ効果が得られる。
日本画のたらし込みや、水墨画の破墨も同様な技法です。
この技法はボブロス画法とも言われています。
1900年代中頃以降にアメリカのボブロスという画家が考案しました。
しかしこの画法の基礎は中性からすでにあり、ボブロスはこの画法をより発展させて独自の
画法を編み出しました。
ようはこれもにじみやぼかしの技法です。
乾いてない絵具の層の上に別の層の色を塗り重ねると伸びやかで自然な色の融合が見られます。
下層の色は独創性を保ちながらも新たな色の深みや新鮮さを与えます。
彫刻的な表現や動きを出したいときに使用します。

2014年4月22日 油絵の技法 その16 ウエットインウエット はコメントを受け付けていません。 油絵の技法