2014-04

油絵の技法

油絵の技法 その22 フレスコ

油絵具が発明される以前は絵画技法と言えば、フレスコ画かテンペラ画でした。 当時の画家たちは競って教会の壁を飾り、人の目を魅了したのはフレスコの力強い表現と 鮮やかな色彩でした。 フレスコ画とは壁に直接絵を描く技法で、生乾きの壁に顔料を水で溶...
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油絵の技法 その21 テンペラ

テンペラは現代で言う油彩画が発明される前までは西洋絵画の主流を占めていた技法です。テンペラ画の絵具は顔料を主に卵を練ったものです。特徴として水で描くことができ、乾きが早く、発色がよいことです。また油絵具との併用も出来ます(混合技法)。比較的...
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油絵の技法 その20 混合技法

混合技法とは、テンペラと油彩を併用する技法のことです。テンペラとは油絵具が登場する前の絵具のことで、今日では水溶性の絵具のことを指すのが一般的です。ヨーロッパで最も多く使われていたのは卵テンペラです。この混合技法の最も特徴的なことは、油の上...
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油絵の技法 その19 マーブリング

水面に油分を含んだ液体を皮膜状に流し、それを平面に写し取る技法。 流れるような形が大理石の模様を連想させることから名付けられた。 偶然にできる色と形の面白さを使用する技法である。 日本では墨流しといい、古くは古今集などの紙にも用いられている...
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油絵の技法 その18 パティック

パティックとはろうけつ染めのことです。布にろうで模様を描き、染めるとろうが乗っているところはろうで染料が乗らず、染め残ります。染色の工程を何回も行い、複雑な模様を作っていくのがパティックです。一般的なパティックは幾何学模様や同じ模様が幾重に...
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油絵の技法 その17 グリザイユとカマイユ

グリザイユは白黒の明暗で描く方法です。このまま作品とするより油絵具で彩色するための下塗りとして使います。一般的な色はシルバーホワイトとピーチブラックにより明暗を作ります。一方カマイユは褐色の明暗で描く方法です。これもこのまま作品とするより、...
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油絵の技法 その16 ウエットインウエット

絵具が乾く前に、つまり濡れている状態で塗り重ねる技法をウエットインウエットと言います。これは絵具の層と層に隔絶せづに1体化した構造断面となるため、塗膜形成機構は安定に保たれます。この技法はすばやく行わなければならず、漫然と塗り重ねを続けてい...
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油絵の技法 その15 スグラックフィート トッキング テクスチャー

スグラックフィート半乾きの油絵具の上から筆の反対側の柄の部分を持って、絵具をこそぎ落とす方法。トッキング半乾きの油絵具の上に新聞紙をのせて余分な絵具を落とす方法。テクスチャー主に下塗りの段階で使われる技法で、画面の質感のこと。絵具の中に貝の...
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油絵の技法 その14 点描3

現在、日本で活躍する点描画家の1人を紹介します。日展評議員、一水会運営委員 鈴木順一(72)さんです。国内で点描を用いる画家は多くはないが、鈴木さんは点描一筋。1961年の一水会展の初入選作品は半点描といえる作品で、逆光の波のきらめきや魚を...
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油絵の技法 その14 点描2

点描は1880年代半ばころ、フランスのスーラによって確立されています。点描はファンゴッホをはじめ多くの画家たちに影響を与え、やがて抽象絵画への流れも出来上がっていきました。モネやシスレー、ピサロら印象派の画家たちは移り変わる自然の様子を細い...