その19 坂本繁二郎
坂本繁二郎は明治15年(1882年)に旧久留米藩士の次男として生まれました、(1969年(昭和44年)没) 幼いころから絵の虫と呼ばれいた繁二郎は、10歳のときに洋画家の森三美が主催する画塾に入門。 繁二郎の絵は評判となり、神童と呼ばれるようになった。 転機が訪れたのは20歳のとき、小学校の代用教員として図画を教えていた繁二郎の元に、東京の美術学校に進学 していた青木繁が一時帰郷でやってきた。 青木の絵に驚いた繁二郎は絵の勉強のため青木とともに上京。洋画家の小山正太郎の画塾に入門。 画家への道を歩み始める。 坂本にとって青木は無二の親友であるとともに、終生その存在を意識せざるをえないライバルであった。 そして30歳の時に描いたうすれ日が出世作となり、夏目漱石に称賛される。 39歳の時にフランスに絵画修行のため留学。 留学から戻って、福岡県八女にアトリエを建て、ここを終の住処と決めます。 そこで50歳の時に繁二郎の生涯のモチーフとなる馬と出合います。 のびのびと自由に生きる馬たちの姿が、繁二郎を魅了したのです。 八女に移り住んで初めて描いた馬の絵が「放牧三馬」です。 繁二郎は、馬という美しい生き物と共に、独自の光の世界を追い求めていきます。 この独自の表現は、ヨーロッパと日本の鐘の音の違いからヒントを得たといいます。