構図 その6 構図のこと

構図の捉え方は画家によって実に様々です。
ある具象絵画の画家は次のように言っています。
私は具体的なものを題材にして絵を描いている。誰が見ても何が描かれているか分かるような絵ですが、それはものの形やものを取り巻く状況を説明するためではありません。
目にみえるもの、形あるものをきっかけとして、目に見えない何かを描きたい。
日常の中で、目にする様々なもの、考えること、そして触れ合う人々。それら現実のの中でふとした瞬間に実感する、言葉では掬えない抽象的な、しかし満ち足りた感覚。
見えないけど確かに感じたその感覚は存在へと繋がる、誰もが共有することのできる人間本来の根本的な感覚ではないかと思います。
私にとって構図を考えることはキャンバスという限定された空間に見えない何かを書く為の必要かつ重要な要素で、どのような構図にするのかということから、絵を描く作業が始まります。
描く手順を決めているわけではありませんが、描く絵のイメージが決まると、まず小さなスケッチブックにそのイメージを描いていきます。
主題になるモチーフだけ描くのではなく、モチーフを矩形で囲って、主題の形と、それを描いたことによって見えてくる余白の形とのバランスを考えながら画面に入れる大きさや視点を決めていきます。構図が大まかに決まるとキャンバスを作ります。比率はスケッチブック上で決めた矩形と同じですが大きさはイメージによって異なります。自分に合う大きさを探りながら決めていきます。
そしてキャンバスに描き始めますが、スケッチブックの構図をもとに描きますが、その通りには描きません、参考程度です。新たな形を手掛かりにして絵と自分との対話が始まるのです。
自分の気持ちとぴったり合う形や色になるまで筆を動かしていますとやがて自分の構図が見えてきます。

2014年5月4日 構図 その6 構図のこと はコメントを受け付けていません。 構図