風景画の描き方 その15 風景画は中景がポイント

風景画は見えない空間を描く絵です。
遠近感を表現することは風景画の基本です。
そのため、遠近感を効果的に描くためには、ちょっとオーバーなくらいの距離感の演出が必要です。
今までにも何度も出てきた遠近法の遠景、中景、近景と言う言葉、この3つの距離感をしっかり表現
することにより、絵に情感が生まれ、ドラマが生まれ、魅力が生まれるのです。
遠景はタッチを弱くして周囲に溶け込ませ、中景はポイントとなるために描きこみが必要。
近景はタッチも強く置くが、中景ポイントを壊さない程度にすることが大事。そのためにタッチが
大きい場合は色の彩度を抑えるとか、タッチを広くつないでシルエットにするとよい。
中景をしっかり描きこんで、これを基準とします。
その視点から見て、遠景と近景の距離感を強調します。
基準となるものを設けて、前後を調整していくのが遠近感を表現する簡単な方法です。
近景を強調することで遠近感が出てきます。
その対比として中景、遠景と離れていく程、明るく弱くなり遠景は最低限の淡い色とすべきです。
絵の広がり、スケール感が出てきます。
5月の棚田を思い浮かべてください。
実際には、山、里も緑一色ですが、近景、中景、遠景の距離感があります。
それぞれの緑は色相、明度、彩度が変わっています。
遠近感も微妙な色彩の変化、濃度の変化で表現するからこそ絵の表現に広がりが出てくるのです。

2014年5月19日 風景画の描き方 その15 風景画は中景がポイント はコメントを受け付けていません 風景画の描き方