油絵の画材その10 キャンバス(1)

支持体
キャンバスや板、画用紙、など絵画を支える材料を支持体又は基底材と呼びます。
油絵の場合は木枠に張った画布(キャンバス)。テンペラ画は板。水彩画には画用紙
などが支持体です。
他にも、建物の壁面、銅板、などの金属、石やガラスなども支持体になります。
キャンバスの構成
油絵用のキャンバスは支持体である画布と木枠で構成されています。
キャンバスとなる支持体をもう少し詳しく述べます。
画布の上に前膠(にかわ size)を塗る。これは絵具を直接画布の上に載せると、絵具の
油が布に吸い込まれ、染みとなったり、油絵の特徴であるつやや耐久性が減少して、
さらに油の酸化により画布の繊維を傷めてしまうことになります。
それらを避けるため、膠液を塗って、支持体表面の目止めを行うのです。
この膠層のことを前膠と呼びます。
この膠は昔は獣皮の膠が使われていたが、近年ではPVA(ポリビニールアルコールポパール)
という液が使われています。
そしてその上に
地塗りがされています。
獣皮やPVAの膠の塗布だけでは表面が円滑になりません。また膠の独特な色があるので、
これを覆うことを目的に石膏やチョークを膠液で溶いたものを塗布します。
油絵具の白を塗布する場合もあります。
市販されているキャンバスはこのような絶縁層や地塗りの処理が終わったものが販売されています。

2014年3月15日 油絵の画材その10 キャンバス(1) はコメントを受け付けていません 油絵の画材