構図 その4 構図は画家の感性

構図は画家の感性です。花の場合だったら自分でデッサンしたものを、画面の中にどのように入れたら空間が活きるか、自分が感じる花の気持ちがその四角い世界で最大限に活きるためにはどうしたらいいか。それは描き手のいわゆる感覚、感情、センスといったものがそのまま出てきますから、あまり無理をせずに、こうしたいと思ったことをするのが一番です。
構図の分析の一つに黄金分割がありますが、画家が最初からそれを意識して描いたというよりは、人間の今持っているとても気持ちの良いバランスがそこに表現さえているということだと思います。

ですから絵を見ていて気分が悪いなと思ったら、それは気分の悪い構図なんです。
もし、気分が悪い、気持ちが悪い、嫌な感じというのを描きたいのだとしたら、そういう構図を作らなければならないわけです。
風景の中に木を描く時に、木はもう少しこちらにあった方がいいな、とか自分で作っていきます。
それは勘です。空きがこれくらいだったら、地平線はこれくらいというように。
いわゆる視点の置き方によって画面は変わってきます。
日本の伝統的な描き方は絵巻にありますように、いわゆる平行です。
平行に見ていく。遠いものを小さくしてしまうと見えない。
それだったら全部に焦点を当てていく。掛け軸の山水画がそうです。
前景、中景、後景と3つに分けて、どのようにヴァルールを考えるかと言うと、濃淡を使います。
それによって遠くに行っているように見えるわけですから、目の錯覚を使用して絵を描いているわけです。

平面の2次元のところに3次元的なものを描かねばならないわけですから、当然それを認識できていないと絵は破綻します。

2014年5月3日 構図 その4 構図は画家の感性 はコメントを受け付けていません 構図