構図 その8 構図のはなし

絵画における構図はすごく身近なものです。学校の美術の時間で最初に習うのは構図です。
構図は絵画の表現手法の中では重要な部分です。
人間の感覚として本能的なものかもしれませんが、バランスのとれたもの、あるいは左右対称
なもの、を好む傾向にあります。
気持ちが安定して落ち着きます。
感覚的に絵を描こうとすると、無意識に描きたいもの、モチーフを真ん中に置いて描こうと
します。あるいは左に置いたらバランスを考えて右に何かを置いて描こうとします。
右に何かを置こうとすることは自然な感覚です。
このような左右対称、バランスのよい絵がいい構図と思いますか?
画面の真ん中に描きたいモチーフを置くと実はつまらない構図になりがちです。
見る人にとっても理解し易い構図なので、絵を一瞬見ただけで安心し、満足してしまうのです。
絵画の歴史の中にもモチーフを中心に置く作品はいっぱいあります。最近の美術展覧会に行っても、そのような作品は多く見受けられます。
それらはそれで絵の目的があって中心に置かれています。
しかし、基本的には絵を描く場合は左右対称の構図は避けた方がよろしい。
美術館に行ったとき、1つの作品を何秒見ていますか。
作者の表現したいモチーフが絵の真ん中にあると、見る人は一瞬で理解してしまいます。
そのため絵を見てくれる時間が少ないのです。
つまり見る人の視線を逃がさないように、なるべく長くその絵に留まってくれるような構図がいいのです。
モチーフが中心ではなく、左右対称でもなくバランスが崩れた絵は見る人に視線が絵の中で遊びます。
分かったと思うまで時間がかかります。鑑賞する時間が長くなります。
これがいい構図と断定は出来ませんが、こういう描き方が絵としてはおもしろいのです。

2014年5月5日 構図 その8 構図のはなし はコメントを受け付けていません。 構図