色の知識 その5 彩度

彩度は前項で述べたように色相、明度と合わせた色の3属性の1種です。 彩度は色の鮮やかさの尺度です。 英語ではSATURATIONといい、飽和度と訳します。つまり全体の明るさに対する色味の 割合ということになります。 従って、白の彩度は0であるが、単色光の彩度は必ずしも1ではない。 彩度を上げていきますと、カラフルで鮮やかな色となります。 彩度を下げていきますと、カラーのない白黒になります。 有彩色、無彩色という言い方に変えることもできます。 有彩色は文字通り色がある、カラーがある色です。 無彩色はカラーのない、白黒、灰色(最も鮮やかさのない色)のことです。 昔の白黒テレビの無彩色の世界です。

同じ黄色でもレモン梨を比べるとよく分かります。 レモンはあざやかな黄色で、梨はにぶい色の黄色です。 このように鮮やかさに違いがあります。 絵具などでは絵具の色が冴えすぎている場合は白を少量混色して調子を落とします。 逆に鮮やかさや透明感が欲しい場合は、むやみに混色しない方がいいです。 赤系統の色でも日の丸は鮮やかな赤ですが、レンガ色はくすんだ赤色です。 うぐいす色はくすんだ黄緑ですが、初夏の若葉は鮮やかな黄緑です。 このように、彩度は絵画の雰囲気つくりに重要な役割を持っています。

 

2014年3月25日 色の知識 その5 彩度 はコメントを受け付けていません 色の知識