油絵の技法 その21 テンペラ

テンペラは現代で言う油彩画が発明される前までは西洋絵画の主流を占めていた技法です。
テンペラ画の絵具は顔料を主に卵を練ったものです。
特徴として水で描くことができ、乾きが早く、発色がよいことです。
また油絵具との併用も出来ます(混合技法)。
比較的簡単に絵具が作れるので手作りの面白さがあります。
透明水彩画のような描き方から重々しい古典絵画まで幅広い表現が楽しめます。
絵具の作り方ですが、簡単なのは卵の黄身と顔料を混ぜ合わせるだけというものです。
但しこの方法はシンプルだけに絵具の若干のもろさが出ますので、卵とダンマル樹脂とスタンドオイルを加えたメデユームと顔料を混ぜて絵具を作る樹脂テンペラという技法を使えば、より堅牢なテンペラ画を描くことができます。
しかしこの技法もメデユームの中の油分が多いので水に溶けにくく技術面で難しいところがあります。
そこで卵黄に油だけでなく、膠、小麦粉などを練りこんで、練りこみテンペラという技法もあります。
これですと、顔料と混ざりやすく、水によくなじみ、非常に堅牢な画面が得られます。
テンペラ絵具は油絵具と比べると修正がききにくいので最初からしっかりした下絵を描いておくこと。そして正確に支持体に写し取り、その形に沿って絵具を丹念に塗り重ねることが必要です。

2014年4月28日 油絵の技法 その21 テンペラ はコメントを受け付けていません 油絵の技法