油絵の技法 その14 点描(ドライペイント)

絵具を細目の筆先に盛り付けて塗るというよりは置く感じで厚めに載せます。
絵具は混色した後、重なった顔料同士が光を奪い合い極端に明るさを失ってしまうことから、
色を混ぜずに画面に並べ、見る人の網膜で混色するように考えられた技法です。
日本で最初にこの技法を取り入れた画家は岡鹿之助です。
鹿之助は自分の絵のマチエールが西洋絵画のマチエールに比べると劣ることに悩み、試行錯誤
の結果、到達したのが、彼の画風を特徴づける点描画法であった。
西洋近代絵画史において、点描画法を用いる代表的な画家はジェルジェスーラであるが、
当時の鹿之助はそのころまで無名であったスーラの作品は知らなかった。
スーラの点描はキャンバス上に並置された異なった色の2つの点が見る人の網膜上で混合して
別な色を生み出す、という視覚混合の理論を応用したものであった。のに対して、
鹿之助の点描はむしろ同系色の点を並置することによって、堅固なマチエールを達成しようと
するものである。
鹿之助はこの技法を用いて静けさに満ちた幻想的な風景画(雪景色が多い)を多く残した。
岡鹿之助は1898年生まれ、1919年東京美術学校西洋画科入学、
1964年芸術院会員、1972年文化勲章授与、1978年没 享年79歳。

2014年4月16日 油絵の技法 その14 点描(ドライペイント) はコメントを受け付けていません。 油絵の技法