油絵の技法 その20 混合技法

混合技法とは、テンペラと油彩を併用する技法のことです。
テンペラとは油絵具が登場する前の絵具のことで、今日では水溶性の絵具のことを指すのが
一般的です。
ヨーロッパで最も多く使われていたのは卵テンペラです。
この混合技法の最も特徴的なことは、油の上に水、すなわち絵具の上にテンペラがはじく
ことなく乗ることです。
そのために乳化という処理をすることになります。
この乳化という現象は良く知られているマヨネーズの製造法に見ることができます。
サラダ油を卵黄と混ぜると酢(水)に混じる現象です。
これは油脂分が水中に微粒子状に分散しているエマルジョンという状態です。
このようにすることによって、描く時は水で希釈でき、乾燥すると水分が飛んで、油脂分
だけになって、油絵具と同じになります。
このエマルジョン化したテンペラと油絵具を交互に塗り重ねていく技法が混合技法です。
テンペラは水で溶いて描きますから水分が蒸発した時点で乾きます。
又、その体積の大半が水ですから、乾燥後は量が減り、フラットになります。
逆に油彩は乾燥が遅いです。がぼかしや色彩の移行が簡単にできます。
また油、樹脂分は無くなりませんから盛り上がりは残り、透明になります。
これらの両方の長所を取り入れて表現するのが混合技法と言えます。

2014年4月28日 油絵の技法 その20 混合技法 はコメントを受け付けていません。 油絵の技法