油絵の技法 その10 ドライブラシ

ドライブラシとは絵具をそのままか、硬めに溶いたものを筆につけ、キャンバスに塗ったり、
こすりつけたりすることによって、かすれの効果を得る方法。
普段、絵を描く時は常に絵具を十分含ませて描きますが、一旦筆に含ませた絵具をパレットや
紙の上でほとんど拭き取ってしまい、筆に残った生乾きの絵具をこすりつけるように描くのが
ドライブラシです。
絵具が筆に十分付いていませんから、その状態で描くと筆が乾き、線がかすれたようになります。
わざとこういう効果を狙ってデッサンのようなタッチを生み出す技法です。
又、不均衡に塗った乾き気味の絵具の隙間から下層をまばらに見せる技法とも言えます。
方法も色々ありますが、乾いた硬めの筆に溶き油をほとんど加えない絵具を取り、軽く布で
ぬぐってから、乾いた層の上を軽くこするように塗ります。筋状の跡を残すには、力を抜いて
筆の下方を持ち、親指で毛を押さえるようにするとうまくできます。
この独特な技法のドライブラシはアメリカのアンドリューワイエスによって考案され、
他にもEシーレも多用していますが、ワイエスのそれはマイクロハッチングのような繊細で
緻密です。
日本国内にもワイエスを尊敬する画家が多くいて、たくさんの美術館がワイエスの作品を収蔵
しています。
ワイエスはアメリカの勲章をほとんど授与されているのでは、と思われるくらいの巨匠です。

2014年4月10日 油絵の技法 その10 ドライブラシ はコメントを受け付けていません。 油絵の技法