風景画の描き方 その24 仕上げの一筆

画竜(がりょう)点睛を欠く。It lacks finising touches. もっとも重要なところに手を入れて、全体を生き生きとさせること。 ほとんど完成しているが、肝心なところが抜けているために全体がダメになっている。

これがなかなか難しいが仕上げの一筆としては、よく見て描かなくてはならない。 プロの画家はこの勘所を経験により心得ている。 風景の中に細い平筆の横タッチが入る、これによりこの1本の横タッチが広大な空間を演出してくれる。 この横タッチは光としてとらえた方が正しい。 光のタッチで絵が活きる、これが仕上げの一筆、点睛である。 海の絵で水平線を描く時、水平線に近い海面が光を反射して輝いて見える、この横タッチの輝きが絵を 生き生きさせる。 森の奥の細道、これを光を意識して細い横タッチを入れる。これにより森のより深い奥行きを表現できる。 林立する建物の絵。遠景の日向部分が輝いて見える。縦タッチで小さな面を入れる。 山の絵で斜めタッチで輝きを細く入れる。この1本の線が山の険しさや雄大さを表す。 ペンチングナイフの効果 ペンチングナイフで画面に絵具を置くと、面ができます。 大きな面を塗ると、空間や平らな部分が素早く描けます。小さな面を塗ると、面同士がつながって 立体感が生まれます。 仕上げの画法として、こうしたことも覚えておくと、表現方法が広がります。

2014年5月26日 風景画の描き方 その24 仕上げの一筆 はコメントを受け付けていません 風景画の描き方