11)風景画の描き方 その7 黄色の使い方

黄色は明度も彩度も高い、画面の中で強いインパクトを持つ色です。
パーマネントイエローライト
暖色系の黄色で混色に役立ちます。黄色からオレンジをコントロールすると、紅葉風景や夕景が自由に
描けます。緑の絵具との混色で色幅を広げる力を発揮します。
雲 パーマネントイエローライト+クリムソンレーキ+バーミリオン
レモンイエロー
寒色系の黄色で少量の白が混ざっている。
落ち着きのある黄色として単独使用するほか、混色では空や雲などのわずかな黄色味や夕景などが表現
できる。
海 レモンイエロー+セルリアンブルー+ホワイト
太陽 レモンイエロー+ホワイト
イエローオーカー
鉱物が原料の自然な黄色で地塗りや下描きによく使われる。
おとなしくおさまりのよい色で、混色のつなぎの色としても良く使われる。
オーレオリン
透明性の強い黄色、緑の絵具との混色で、サップグリーンやオリーブグリーンのような自然で使い易い
緑色を作ることができる。
青の絵具との混色は深いグリーンになり、緑の陰影の部分に使用できる。
オーレオリン+パーマネントグリーンペール  深みのある明るい緑
オーレオリン+ピリジャン          深みのある緑
オーレオリン+セルリアンブルー       少し暗い緑
オーレオリン+コバルトブルー        暗い緑、影に使う

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11)風景画の描き方 その6 赤色の使い方

赤系統の絵具には 暖色系赤(黄色味の赤)と寒色系(青味の赤)の2種類あります。
色の持ち味を損なわないように、混色するときは気をつけましょう。
暖色系の赤に青を混ぜると、やや濁った紫ができます。それは既に暖色系赤に黄色が含まれていて
青をプラスすると3つの原色の混色になるからです。
バーミリオン
季節感を出すことができる重宝な色です。
暖色系赤です。黄色と混色して橙やオレンジをつくります。伝統的な朱色です。
緑系との混色によって樹木や草花の色ができます。
単色で紅葉風景に使う。
春の絵の下塗り、夕焼けに使うと温かみを与える。
ブライトレッド
赤の中でも一番原色に近い強い暖色系の色です。
暖色系の色との混色では色を冴えさせるが、寒色系の色との混色では相手の色をおさえてしまう。
樹木の葉に見られる幅のある色合いを作る役割をする。
ブライトレッド+ピリジャン
クリムソンレーキ
透明性の強い寒色系赤。透明色の青と混色すると暗い紫ができる。
この紫は色が深く、そのまま塗ると黒っぽく見えるため少量の白を加えて使用する。
緑系や褐色系との混色にも向いている。
グレース技法にも適している。
クリムソンレーキ+ピリジャン
クリムソンレーキ+マーントシェンナ

 

 

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11)風景画の描き方 その5 青色の使い方

ブルーという色は、明度は低くても彩度の高い鮮やかさを持った色相です。
青い絵具は種類が多いのですが、風景画でよく使われるのは次の3色です。
コバルトブルー
海の色を表現する場合、コバルトブルーは魅力的な色です。
青の中に深みのある青を作る場合はウルトラマリンディープを混ぜます。
空の色に使ってもおもしろい。高く晴れ渡った感じの表現ができます。
ウルトラマリンディープ
海の色を表す青、コバルトブルーやピリジャンと混色すると、海の段階的な深さを示す階調をつくる
ことができます。
セルリアンブルー
空の変化とつなぎに便利な青色です。
白と混ぜて基調となる空を作り、他の色を加えて変化をつけると、季節、天候、時刻に自在にに
対応できる。
空と海、空と木々、又は山々とつなぎの色として便利です。
但し、コバルトブルーやセルリアンブルーは絵具の中でも価格が高い方に属します。(ほるべいん E)
影の色を作る
濃い青と寒色系の赤を混色してできた暗い紫は白と混ぜると色合いがはっきりします。
この紫を陰影の色として使うと印象派風の作品ができます。
陰影に青や紫を使うとおもしろいでしょう。
ウルトラマリンディープ+クリムソンレーキ+ホワイト
コバルトブルー+クリムソンレーキ+ホワイト

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11)風景画の描き方 その4 ピリジャンがおもしろい

風景画でおすすめの色はピリジャンです。
ピリジャンはとても不思議な色です。緑なんですが3原色を混ぜてもつくることができません。
単独では人工的に感じられる透明色ですが、他の色と混色すると豊かな自然の色ができます。
例えば、風景の中の草や木々の色。
深い青系の緑なので、黄、赤、茶などを混ぜると明るい緑や暗い緑ができます。
明るい緑が欲しいときは
ピリジャン+レモンイエロー、パーマネントイエロー、オーレオリン、イエローオーカーなど
暗い緑が欲しいときは
ピリジャン+バーミリオン、ブライトレッド、クリムソンレーキ、バーントシェンナなど
池や湖の色は寒色系の青と混色すれば深い水の色となります。
ピリジャン+セルリアンブルー、コバルトブルー、ウルトラマリンディープなど
この水の色は海を描くときにも使えます。
空の変化でも使えます。
空を描く時は空色=ブルーという単調な観念は捨てましょう。
ピリジャンを混ぜると空も雲も変化が増します。
青と白を基本の色としてピリジャンを少し混ぜると抜けるような青い空が表現できます。
一つの描き方ですが、
ピリジャンにホワイト、レモンイエロー、クリムソンレーキ、などを少量使い、セルリアンブルーで
溶けこませます。
変化に富む質感が得られます。

 

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11)風景画の描き方 その3 風景画用の画材(筆とナイフ)

凸凹のあるキャンバスに力強く描くには硬くて腰のある豚毛の筆が最適です。
細い部分や細い線を描く時は、日本画用の面相筆を使います。但し柔らかくて腰のしっかりしたものを
選びます。
ペンチングナイフはひし型の刃先をしたものが使い易い。
描画用には刃の長さが3cm前後のものがよい。
地塗り用には7cm程度の大きめのものを用意しましょう。
筆の大きさの大体の基準は例えば8号くらいのキャンバスに描くのであれば筆も8号くらいが丁度いい。
油絵具で絵を描く場合は筆で描くことにこだわる必要はない。ナイフで描いてもよい。
他にも指も立派な筆です。粘土細工用の木のナイフもおもしろい。
画面の質感を出すために色々なものに挑戦してみましょう。
油絵をやっていて最初に失敗するのが筆の後始末です。
しっかり洗わないと、1回使用しただけで、ダメになります。洗い方がよければ何年ももちます。
筆洗器と市販の筆洗液(ブラシクリーナー 石油系)、せっけん、ボロ布を準備します。
筆に付いた絵具はまずは新聞紙又はチリ紙、布などでよく拭き取ります。
次に、筆洗器の中にブラシクリーナーを入れて、筆洗器の底をたたくようによく洗います。
この段階では筆の中の絵具は取れていません。よく拭いて油を取ります。
そして石鹸をつけてぬるま湯で手でしごいて洗います。
最後に布でよく拭いて穂先を揃えます。

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11)風景画の描き方 その2 風景画用の画材(絵具)

油絵具は大変多くのメーカーからたくさん市販されています。国産、外国産を含めて。
又毎年のようにメーカーの競争により新しい発色のよい絵具が発表されています。
一般的な絵具は(一概には言えないかも)クサカベ、ホルベイン、マツダ、ウインザー&ニュートン。
他にもヴェルネ、レンブラント、ギルド、ルネッサンス、ジョージアン、ヴァンゴッフォなどがあります。
それぞれに特徴はあるのですが、画域の広がりとともに絵具に対する要求の好みも出てきますので、
その都度、違うメーカーのものを使うのも、おもしろさが出ると思います。
風景画の基本的な絵具の色が特別決まっているわけではありません。が大体において絵具の12色セット
に、セルリアンブルー(青)、ブライトレッド(赤)、パーマネントオレンジ(橙)、オーレオリン(黄)、
レモンイエロー(黄)の5色は揃えておきたい。
溶き油ですが、チューブから直接出して溶き油で溶かずにそのまま描いても問題はありません。
溶き油で溶いて塗ると塗りやすくなります。
溶き油も各種あります。
ペンチングオイル(調合済みの溶き油、テレピン、リンシードオイル等を含む)がお薦めです。
地塗りの乾きを早くしたい時はペトロールで溶きます。
描き始めはテレピン(ターベンタイン)がよい。筆さばきがよくなる。
描画中はリンシードオイルをペンチングオイルに加えるのもいいでしょう。豊かなつやが得られます。
野外写生用には速乾性メディウムを使います。ナイフで絵具に混ぜて使います。
ペンチングメディウムゼリー、ラビットメディウム、ストロングメディウムグリスなどがあります。

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11)風景画の描き方 その1 風景画用の画材(キャンバス)

キャンバス、絵具、パレット、溶き油、メディウム、筆、ナイフ等は最低限必要な画材です。
キャンバスの地塗り
市販のキャンバスは既に白い塗料が塗られていますが、風景画を描く時はあらかじめ、地塗りをしておくとよい。
描きたい風景に応じた地塗りにしておくと、キャンバスの目がよく整えられ、絵具の発色や絵具のつきがよくなる。
シルバーホワイトに地塗り色となる絵具を加えたものか、あるいは地塗り用のファンデーション絵具(ホワイト、
グレー、オーカー、アンバーなど)でもよい。
よく乾燥させてから使用する。
白いキャンバスにいきなり描くよりは手早く重ね塗りができるので写生時間短縮となる。
下地の色は例えば春の新緑の山や木々を描く時はイエローオーカーなどの暖色系の地塗りが下地効果が出る。
地塗りの方法は上記のシルバーホワイトに地塗り色を加えてよく練る。ナイフを使ってペトロールを少しずつ
加えてクリームくらいの粘土に練って溶く。
そしてキャンバスナイフで塗る。その後平筆で縦横に画面をならす。
ナイフだけですとキャンバス全体がつるつるになり、絵具がつきにくい。
地塗りが乾いたら、キャンバスに寸法の目安となる線を鉛筆でひて置くとすぐに絵が描ける状態となる。

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10)構図 その9 基本の構図

構図は絵を描く時の重要な要素であることを今まで何度も述べてきました。
構図は絵画だけでなくデザイナーや写真家にとってもとても大事なことです。
それは絵画と共通している部分がかなりあります。
これから述べる基本的な構図はデザインや写真とほとんど同じで共通しています。
三角構図
もっともよく知られた構図です。下部が広く上部が小さい。
極めて安定感のある構図です。下部がどっしりして上部を支えている構図です。この構図の作品
は大変多い。
逆三角構図
あえて構図の1種類に加えてみましたが、一般的にはこの構図で絵を描く人は少ないでしょう。
見る人に不安を与える不安定な構図です。あえてそうした見る人に不安な気持ちにさせる絵を描く
時にはいい構図です。
日の丸構図
中心部にモチーフの主題をどーんと置く構図です。主題がモチーフが非常に強く出ます。
主題の周りの処理が難しくなります。
1点豪華主義みたいな描き方となります。
左右上下対象構図(シンメトリー構図)
古代からこれも良く使われています。逆さ富士のように描けば上下対象、水鏡のように描けば
これも上下対象、トンネルの入り口を真正面から描けば左右対称です。
対角線構図
水平な横線に合わせた構図ではなく手前から右の左に斜めに配置した構図のことです。海岸線を
斜めに描く場合が多いですがそれがこの構図です。
三分割構図
これもよく使われる構図です。対象のモチーフを縦に三分割、横に三分割、そうすると囲むという
字ができます。交点が4つできます。この交点近くにモチーフの重要な部分を配置すると落ち着きの
ある安定的な構図となります。ちょっと慣れないと難しいかも。
他にもたくさんあります。構図の基本をわざと外す場合もあります。これは作者の自由です。
しかし基本として知っておくことも大事です。

 

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10)構図 その8 構図のはなし

絵画における構図はすごく身近なものです。学校の美術の時間で最初に習うのは構図です。
構図は絵画の表現手法の中では重要な部分です。
人間の感覚として本能的なものかもしれませんが、バランスのとれたもの、あるいは左右対称
なもの、を好む傾向にあります。
気持ちが安定して落ち着きます。
感覚的に絵を描こうとすると、無意識に描きたいもの、モチーフを真ん中に置いて描こうと
します。あるいは左に置いたらバランスを考えて右に何かを置いて描こうとします。
右に何かを置こうとすることは自然な感覚です。
このような左右対称、バランスのよい絵がいい構図と思いますか?
画面の真ん中に描きたいモチーフを置くと実はつまらない構図になりがちです。
見る人にとっても理解し易い構図なので、絵を一瞬見ただけで安心し、満足してしまうのです。
絵画の歴史の中にもモチーフを中心に置く作品はいっぱいあります。最近の美術展覧会に行って
も、そのような作品は多く見受けられます。
それらはそれで絵の目的があって中心に置かれています。
しかし、基本的には絵を描く場合は左右対称の構図は避けた方がよろしい。
美術館に行ったとき、1つの作品を何秒見ていますか。
作者の表現したいモチーフが絵の真ん中にあると、見る人は一瞬で理解してしまいます。
そのため絵を見てくれる時間が少ないのです。
つまり見る人の視線を逃がさないように、なるべく長くその絵に留まってくれるような構図が
いいのです。
モチーフが中心ではなく、左右対称でもなくバランスが崩れた絵は見る人に視線が絵の中で
遊びます。
分かったと思うまで時間がかかります。鑑賞する時間が長くなります。
これがいい構図と断定は出来ませんが、こういう描き方が絵としてはおもしろいのです。

 

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10)構図 その7 構図の基準

絵を描く上でモチーフの構図によりキャンバスの大きさを選定することになります。
キャンバスの大きさはF,P,Mといった記号で表示されています。
しかし、これは決して絶対的な形ではありません。
先にキャンバスの大きさありきではなく、あくまでもモチーフが主役です。
自分のモチーフに合う規格のキャンバスがなければ自分でキャンバスを自由に作ればよろしい。
しかしこの規格となっているキャンバスの縦横の寸法比、つまり黄金比は意味があります。
黄金比は長い歴史と経験則から導きられた、極めて合理的な寸法比です。
黄金比は1:1.618です。
但しこれは厳密なものではなく実際に売られているキャンバスは比率が異なっているものが多く
あります。基本的に土台になっている比率で参考程度に見てください。
キャンバスMは黄金比そのものです。縦1に対して横は1.618です。
キャンバスFはM型を縦に2つ並べた形です。分かり易く言えば縦2に対して横が1.618
になります。
キャンバスPは縦を1としてできる正方形の対角線を半径とする円弧を引いてできた長方形
です。
縦1に対して横は√2となります。
誰でもいたずら描きするときはFPMといった規格を意識はしないでしょう。
絵を描いてみたいと思って画材屋に行くとキャンバスのこの記号を見つけることになります。
このキャンバス型といわれる規格がどのようなものか知ることに意味はあるのですが、
現実には避けて通れませんので、絵を描くてがかりとして一応認識しておいた方がいいでしょう。

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