6)油絵の画材その10 キャンバス(4)

張りキャンバス
すでに画布が張られた状態の張りキャンバスが多く店頭に並んでいます。
また、カットキャンバスといって、所定の大きさにすでに裁断された状態のものもあります。
これも、後は自分で木枠に張ることになります。
張りキャンバスは手間がかからない分、少し割高となるのは仕方ありません。
100号以上のキャンバスとなると、制作するのに年配者や女性は難しいでしょう。
画布の面が皺しわとなって失敗する例が多いです。
張りキャンバスは使用する画布の材質、木枠の材質、そして手張りか機械張りかによって
価格が異なります。
純麻布+桐木枠とか、化繊+桐木枠とか、麻100%+高級杉木枠とか
亜麻生地+高級米杉木枠とか表示してあります。麻布+桐木枠が普及品でしょう。
折りたたみ式キャンバス
100号のキャンバスはそのままでは運搬が難しいです。100号そのまま車に入る車種
も販売されていますが、乗用車では難しいでしょう。また100号を持ったまま電車に
乗ることは迷惑となるでしょう。
そのために今では、2つに折りたたむことができるキャンバスもあります。
2つ折木枠と専用金具(ホルベイン製)で作ります。
2つ方法がありまして、100号のキャンバスになるよう2つの木枠を金具で止める方法と
100号の木枠を2つに切り離して切断面に金具を付けてから画布を張るものとあります。
前者は真ん中に結合線が出ますので絵画の雰囲気を壊す場合があります。
後者は画布は100号のままで木枠だけが2つに分離してますので、切断線は現れませんが
画布を丸く折りたたみますので厚塗りの場合は亀裂が出る場合があります。

6)油絵の画材その10 キャンバス(3)

ロールキャンバス
一般的にキャンバスは画布がロール状に巻いて売っているものと、張りキャンバス、といって
すでに木枠に画布が張ってあるものとあります。
ロールキャンバスは自分でキャンバスを作る場合のものです。
最近は張りキャンバスの種類も豊富に出回っていますので、自分の手間を省いて張りキャンバス
を使う人が多くなっています。
もちろんロールキャンバスを買って自分で作る方が、絵描きにとっては安くなります。
ロールキャンバスの大きさは幅が140センチ、170センチ、200センチとあります。
長さは大体が5m、10mのものがあり、これが巻いてあるわけです。
これを必要とする大きさに裁断して使います。
裁断には歩戸止まりを考えながら行わなくてはなりません。切れ端をなるべく少なくすることです。
ネットでキャンバス裁断参考表のような資料がありますのでこれを見ながら裁断するといいでしょう。
ロールキャンバスには荒目、中荒目、中目、中細目、細目などがあり、厚みも色々あります。
大作用(50,80,100,150号)にはなるべく厚めで荒目のものが必要です。
キャンバスを作るためには木枠も準備します。木枠は米杉材がよく使われます。
杉の集成材や南洋桐と言われているファルカタ材などもあります。
又キャンバスを張るための道具として専用プライヤーとハンマーが要ります。
キャンバスを止めるものとしてキャンバスタックス(鋲)があります。
張り方はネットなどで多くのマニュアルがでていますので写真を見ながらやってみてください。

6)油絵の画材その10 キャンバス(2)

画布
油絵のような支持体として使われる、木枠に張った画布(キャンバス)は主に麻布が
よく使われます。綿布や合成繊維又はこれらの混成したものもあります。
麻布はかなりの強度を持ち、耐酸性にも優れていますので油絵用として適しています。
麻布には様々な種類がありますが、普通は亜麻が使われます。
亜麻という1年草の茎から得られる繊維です。
参考までに、絵具に良く使われるリンシードオイルも亜麻の種から作られます。
亜麻は油絵にとって非常に重要な植物というわけです。
画布は糸の密度により、荒目、中目、細目と分かれます。
1インチ又は1センチなどにおいて何本の糸が通っているか、という打ち込み本数で
決まります。
荒目は表面の凸凹が大きいので、細密描写には向きません。細目は微細な描写向きです。
一般的に荒目の方が糸が太く、強度もあります。従って大作用となります。
布は湿度により伸縮します。
生地はかなり極端に伸縮しますが、膠引きや地塗りがしてあれば、麻布はわずかしか
伸縮しません。膠や地塗りで糸が固定されるからです。
地塗り済みのキャンバスは雨天時に張れば、晴れた乾燥した日にはピンと張った状態に
なります。
従ってできるだけ雨天時にキャンバスを張ることを薦めます。

6)油絵の画材その10 キャンバス(1)

支持体
キャンバスや板、画用紙、など絵画を支える材料を支持体又は基底材と呼びます。
油絵の場合は木枠に張った画布(キャンバス)。テンペラ画は板。水彩画には画用紙
などが支持体です。
他にも、建物の壁面、銅板、などの金属、石やガラスなども支持体になります。
キャンバスの構成
油絵用のキャンバスは支持体である画布と木枠で構成されています。
キャンバスとなる支持体をもう少し詳しく述べます。
画布の上に前膠(にかわ size)を塗る。これは絵具を直接画布の上に載せると、絵具の
油が布に吸い込まれ、染みとなったり、油絵の特徴であるつやや耐久性が減少して、
さらに油の酸化により画布の繊維を傷めてしまうことになります。
それらを避けるため、膠液を塗って、支持体表面の目止めを行うのです。
この膠層のことを前膠と呼びます。
この膠は昔は獣皮の膠が使われていたが、近年ではPVA(ポリビニールアルコールポパール)
という液が使われています。
そしてその上に
地塗りがされています。
獣皮やPVAの膠の塗布だけでは表面が円滑になりません。また膠の独特な色があるので、
これを覆うことを目的に石膏やチョークを膠液で溶いたものを塗布します。
油絵具の白を塗布する場合もあります。
市販されているキャンバスはこのような絶縁層や地塗りの処理が終わったものが販売されています。

6)油絵の画材その9 油絵用のイーゼル

イーゼルは野外用と室内用とあります。 野外用にはスケッチ箱に脚がついたもの、材質もアルミが主流ですが、木製もあります。 室内用はアトリエ据え置き型が基本です。 キャンバスの大きさにより上下に伸び縮みできるものや水平になりものまであります。

野外用イーゼル ほとんどがアルミ製です。2-3段式の木製のもの(ベーシックな感じ)も市販されています。 基本的に立って描いても座って描いても対応できる大きさのものでなければなりません。 このアルミイーゼルは別に油絵用というわけでなく、スケッチ用、水彩画用など多目的に 使用されます。 当然携帯用ですが、50F対応のものまで大きさも色々です。

卓上イーゼル 小品制作用のイーゼルで机の上に置いて使います。絵画教室などでよく使われています。 適度な重量があります。

室内用アトリエイーゼル 木製のものがほとんどで、ポプラ材、タモ材、オーク材などが使われています。 キャンバスの大きさにより、高さ調整を調整穴(トリガー式)で行うもの、巻き上げハンドル でおこなうもの、電動モーターで行うものなどがあります。 大きさもほとんどが100F対応可能となっています。 重量は10kgくらいから30kgくらいのものまであります。 価格は2-3万円から30万円くらいまであります。 100号以上の大作用には特注で作ってもらわなくてはなりません。 150号くらいのものでしたら、大きな画材屋さんで売っているかもしれません。 アトリエイーゼルは比較的に高価なため、安いデッサンイーゼルでも対応可能です。 これで代用している人もたくさん居られます。

6)油絵の画材その8 油絵用パレット

油絵用のパレットには3種類の形があります。 オーバル型(丸型) 楕円形の形をしており、扇状に絵具が並べられる。 フランゼン型(丸型)雲形をしており、左腕の邪魔にならないように手前が大きくえぐられている。 オブロング型(角型)2つ折になったものもある(スケッチ用)  これらのパレットの材質は、よく使われているのが朱利桜材である。 きめが細かく、変形が少なく、適度な硬さと弾力を持っています。  他にも 紙パレット  使い捨てが可能で、1回ごとに1枚めくって捨てます。結構重宝します。 大理石パレット  アトリエの据え置き型、重量があるので調色しやすい。但し高価です。 タイルパレット  セラミック製 ほどほどに重量感がある。ネットで探せばある。 ホワイトパレット シナベニア デコラ張り(丸型、角型) アルミパレット  あまり市販されていない

専門家用パレット(丸型)の特徴 体のもっとも近い方が厚くなっており、遠くになるにしたがい薄くなっています。勾配がつけてある のです。丸パレットの右手前にはバランス用の重りが仕込んであり、全体の重量バランスが指穴に くるようになっています。 長時間制作していても疲れにくくなっているわけです。

左利き用パレット 右利き用ほど種類が豊富ではありませんが、もちろん市販されています。 昔は右利き用のパレットを裏返して使っていたようです。但しこれだと、指を入れる穴のカットの R(丸く削ってあるところ)が逆になることから、エッジに指が当たって痛いという欠点があります。 これも1枚パレットの話で、2つ折の場合は無理です。

油絵の画材その7 ペンティングナイフ

油絵を描く画材は筆だけではありません。木製の彫刻刀や布、そして手も道具の1つです。
ペンティングナイフも古くから広く一般的に使われている道具です。
このナイフの使い方も覚えておきましょう。
ペンティングナイフの種類
菱形、涙型、角ばったものなど形や種類が色々あります。
刃の長さは小さいもので2.5cmくらい。長いもので10cm程度です。
普及型は細長い菱型で刃先が5-8cmくらいのものがいいでしょう。
材質的にはほとんどステンレス製ですが、プラスティックや木製のものもあります。
パレットナイフも1本準備しておきましょう。
バターナイフのような形状でパレット上での混色、固まった絵具のそぎ落としに使います。
ペンティングナイフの使い方
ナイフといっても筆と同じように使えばよいです。絵具を盛り上げたいときは油を少し、
エッジを利かせて、直線を鋭く入れるときは油は多めです。
タッチとかエッジを利かせる方法は我流でいいですから色々やってみてください。
ナイフを使った描き方はどうしても絵具が厚塗りとなります。
盛り上げや平らな塗りこみ、絵具をならしり、引っかいたり、筆とは違って、力強い表現が
可能です。
ただナイフを使って描くと厚塗りとなって乾燥がかなり遅くなります。

油絵の画材その6 油絵用の筆(形状別の種類)

1、フラット   平筆の基本型 面塗りや線描き。  2、フィルバート 平筆 面塗りや描き込みに使用する。線は柔らかくなる。   3、スラント   平筆 アングルともいい、斜めにカットされた筆 ,直線描きやエッジを使った線描きに使用される。  4、ブライト   平筆 毛先が短い、力強い直線に使用する。 5、ラウンド   丸筆の基本形 線描きや細部を描く時に使用する。  6、ファン    扇形 毛先が扇形で草や動物の毛並みを描く時に使用する。           又、ぼかしやグラッシ画法に使う。  7、スプリクト  穂先が長く細密画やサインする時に使用する。         画材屋さんには非常に多くの筆が並んでいます。選択するときに迷いますが、 とりあえず選ぶとすれば  豚毛の平筆(フラットとフィルバートを混ぜる)4,6,8,10,12号くらい  軟毛(馬、狸、コリンスキーなど)の平筆4,6号あたり。 あるいはセットで10本セットのように売っているものもありますので、 それでもいいでしょう。 描いている内に色々欲しくなってきますので、その都度付け加えていくといいでしょう。

ここで筆の手入れの方法を述べておきます。 描き終った後の筆の手入れは大変重要です。手入れを怠りますと、すぐに穂先がカチカチになって、 使えなくなります。最初に失敗する人が多いです。 まずは、筆の穂先についている絵具を紙(新聞紙やちり紙)やボロ布でよく拭き取る。 次に油絵用のクリーナー(画材屋に売っている、原液のまま使用)で押し洗いする(何度も)。 まだこの段階でも乾性油が筆についています。 乾性油をボロ布でよく拭き取る。 そして石鹸(筆洗液アプトでもよい)を付けて水またはぬるま湯で洗い流す。 最後に布で水分を拭き取り、形を整える。

油絵の画材その6 油絵用の筆(原毛別の種類)

筆の原毛別の種類
1、豚毛     もっとも多く使われている普及品、高いものから安いものまで各種あり。
油絵具独特のねばりに負けない弾力と耐久性がある。
2、コリンスキー シベリア北東部に生息するイタチの一種(テンも含まれる)。
イタチの尾毛を使用する。筆の中では最高級のもの。
弾力がありしなやかで揃いがよい。軟調毛。
コリンスキーレッドセーブル、コリンスキーセーブル、レッドセーブル。
などがある。
3、セーブル   これもイタチですが、シベリア産のコリンスキーを含めて総称して呼ぶ。
(日本画、水彩画用として多く使われる)
4、狸      日本産や中国産の狸の背中の毛を使う。
絵具の含みが良く、軟調。
5、オックス   ヨーロッパ、中国、南米産の雄牛の耳の毛を使う。やや軟調。
6、馬      よく使われる一般的な普及品。ほぼ全身の毛を使用する。軟調。
7、リス     ロシア、中国産の原毛が良質。絵具の含みや穂先のまとまりが良い。
弾力はない。
8、リセーブル  特殊加工した画筆用合成繊維。複数の原毛を混ぜて筆にしている。
腰が強く、豚に似たものからセーブルのような軟調筆まである。普及品。
9、ナイロン   安価、絵具の含みや腰の粘りが弱い。

筆は硬毛と軟毛があります。

硬毛は豚毛が一般的です、独特の腰にねばりがあり、耐久性もあります。

下塗りから仕上げまで使用が可能です。

軟毛は溶き油で、やわらかく絵具を塗るのに適した筆です。

代表的な筆はコリンスキーですが、かなり高価です。馬や狸でもいいでしょう。

油絵の画材その5 ちょっとわき道 有名な油絵画家

日本人は西洋絵画の中では19世紀から20世紀にかけての印象派の絵画を好む
傾向にあります。
ミレー、マネ、モネ、ルノアール、シスレー、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ
ブラックなどが代表格でしょう。
印象派の特徴は光の変化や空気感、などを絵画で表現しようとしていることです。
明るく、鮮やかな色使いで、絵が描かれた場所の雰囲気が伝わってくるようなところ
が日本人に好かれるのでしょう。
日本での油絵は洋画と言われるようにヨーロッパから伝わってきました。
しかしあのゴッホは日本の古典絵画と言われる浮世絵を油絵で模写し、浮世絵の構図、
色彩、技法を勉強しました。
西洋の印象派には、日本の浮世絵の影響が及んでいたわけです。
日本にも有名画家はたくさんいます。
洋画家第1号と言われた、高橋由一、そして日本の画壇の基礎を築いた黒田清輝、藤田嗣治、
現代においては青木繁、東郷青児、岡本太郎、中川一政、小磯良平、といった現在の繁栄
に大きく貢献した人達。
因みに有名といえば芸能人にも画家として活躍している人がいます。
工藤静香、八代亜紀、石坂浩二といったみなさんです。
油絵画家ではないですが版画家のジュディーオング倩玉さんも有名です。