19-20世紀の美術運動 その2 アールヌーヴォー

その2 アールヌーヴォー

アールヌーヴォーは19世紀末から20世紀初頭(1890年ー1905年)にかけてヨーロッパを中心に開花した 国際的な美術運動です。新しい芸術を意味する。 花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性や、鉄や、ガラス といった当時の新素材の利用などが特徴です。 分野としては建築、絵画、工芸、グラフィックデザインなど多岐にわたっています。

第1次世界大戦を境に、装飾を否定する低コストなモダンデザインが普及するようになると、アールデコへの 移行が起き。アールヌーヴォーは一旦衰退します。 しかし1960年代のアメリカでアールヌーヴォーのリバイバルが起こって、その豊かな装飾性、個性的な造形 の再評価が進み、新古典主義とモダニズムの架け橋と考えられるようになった。 ブリュッセルやリガ歴史地区のアールヌーヴォー建築群は世界遺産に指定されている。

アールヌーヴォーという言葉はパリの美術商、サミュエルビングの店の名前から出ている。 アールヌーヴォーの理論的な先駆はヴィクトリア朝イギリスのアーツ&クラフツ運動である。 アールヌーヴォーのモチーフは花、草、樹木、昆虫、動物などである。これらを住居の中に美を取り入れる だけでなく、自然界にある美的な感覚を気づかせることになった。 また鉄の使用は建築物の高層化を可能にし、摩天楼を実現するに至った。 アールヌーヴォーの画家としてはナンシー派運動のメンバーであったルイギンゴ、他にアンリベルリデフォンテーヌ、 ジュールシェレ、ジョルジョドフールなどがいる。 スイスのアンドレエヴァールもその1人である。