油絵の画材その10 キャンバス(2)

画布
油絵のような支持体として使われる、木枠に張った画布(キャンバス)は主に麻布が
よく使われます。綿布や合成繊維又はこれらの混成したものもあります。
麻布はかなりの強度を持ち、耐酸性にも優れていますので油絵用として適しています。
麻布には様々な種類がありますが、普通は亜麻が使われます。
亜麻という1年草の茎から得られる繊維です。
参考までに、絵具に良く使われるリンシードオイルも亜麻の種から作られます。
亜麻は油絵にとって非常に重要な植物というわけです。
画布は糸の密度により、荒目、中目、細目と分かれます。
1インチ又は1センチなどにおいて何本の糸が通っているか、という打ち込み本数で
決まります。
荒目は表面の凸凹が大きいので、細密描写には向きません。細目は微細な描写向きです。
一般的に荒目の方が糸が太く、強度もあります。従って大作用となります。
布は湿度により伸縮します。
生地はかなり極端に伸縮しますが、膠引きや地塗りがしてあれば、麻布はわずかしか
伸縮しません。膠や地塗りで糸が固定されるからです。
地塗り済みのキャンバスは雨天時に張れば、晴れた乾燥した日にはピンと張った状態に
なります。
従ってできるだけ雨天時にキャンバスを張ることを薦めます。

2014年3月15日 油絵の画材その10 キャンバス(2) はコメントを受け付けていません 油絵の画材